小林製薬、会長・社長が辞任 取締役会で正式決定


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小林製薬は23日、小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)が辞任する人事を発表した。紅麹(こうじ)原料を含むサプリメントについて健康被害の拡大や情報開示が遅れたことなどの責任を取る。後任の社長には山根聡専務(64)が昇格する。1886年に小林忠兵衛が雑貨店「小林盛大堂」を創業してから約140年の歴史で初めて創業家以外のトップが就任する。

23日に開いた取締役会で決めた。一雅会長は同日付で会長職のほか取締役も辞任した上で特別顧問に就く。章浩社長は社長職は辞す一方、取締役としては残り、健康被害の補償対応にあたる。社長交代は8月8日付。

役員報酬の返上も決めた。章浩社長は2024年1〜6月の月額報酬の50%、山根専務は同40%を返上する。

小林製薬は1月15日に医師から健康被害の最初の症例報告を受けたものの、3月22日に問題を公表して製品の自主回収を発表するまで、約2カ月間の時間を要した。初動対応のほかにも、健康被害が疑われる死亡例の増加について6月末までの約3カ月間、国に報告していなかった。一連の対応は企業統治などの観点から批判の声が上がっている。

トップ交代後も、厚労省が主導して進める原因究明への協力や健康被害を受けた人への補償など取り組むべき課題は多い。問題対応の継続性を重視して山根氏が新社長に就く。一方で山根氏は2006年から長年、取締役を務め、一連の対応遅れの責任の一端はある。章浩氏も代表権は失うものの取締役には残り、新体制でも創業家の影響は色濃く残る。

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